一方向からだけだとこれしか正解が無いようにみえて、それに当てはまらない自分はどうしようもない劣等者なのだという錯誤を植え付けられたりしますよね、大人(というか歳上の人)に。
そんなとこからじゃなくてこっち来てここから見てみなよ、ちょっと面白いかもよ?という打ち上げ花火を下から見ようか横から見ようか的発想で好きなものを一つ二つ。
銀河英雄伝説での、ポプランのユリアンへのお説教(ヤン提督もおおむね同じことを思っていたという)
「〜(前略)〜戦略戦術はヤン・ウェンリーにおよばず、白兵戦技はワルター・フォン・シェーンコップにおよばず、空戦技術はオリビエ・ポプランにおよばず、なんてことになったら、器用貧乏という言葉の生きた見本になってしまうからな」(『銀河英雄伝説』第7巻76ページ3〜6行目)
というのに対しキャゼルヌの
戦略戦術はポプランをしのぎ、白兵戦技はヤンをしのぎ、空戦技術はシェーンコップをしのぐ(同7巻、11〜12ページ)
というもの。こういう考えがすらっと出てくるからキャゼルヌさんて大人な格好良さがあるんですよね〜。あと作中ほぼ唯一社会人としてしっかりしてる、というか、軍人じゃなくても有能なんだろうなと思える人物なのが良い。ムライ中将もか。
リー師父もわざわざ対手の正面で受けて立つ必要はない、と云うようなことを仰っているし。
ちなみに部下に持つなら軍事面ではワーレン提督、補給面ならセレブレッゼ中将。この辺りならこちらが誠実に対応してればちゃんと応えてくれそうだから。まあ、セレブレッゼに対してはオレの方が階級上だぞ!で通じそうだけど。他はもう「無能者め!」って感じで面従腹背になると思うよ。いやまあ、ワーレン提督も過ぎた部下なんだけど。
どうしたって同じ土俵に立たなきゃいけない事もあるでしょうけど、う〜ん、自分より優秀な人っていうのは居ますよ。まあ、自分の力量に見合った事が出来てれば良しと思っとけばいいかな、じゃないとやってられないですし。その時は他人の評価は気にしなくていいよね!耳障りだろうけど。アドバイスは聞いた方がいいよなー、自分に足りない部分のは…うーむ、がんばろう……
「〜(略)〜この孔子だって四十九歳まで自分の宿命に逆らってもがいて五十九歳まで人の話聞かないで、六十九歳までやりてぇ事してヘマこいてたんだぜ?」(『千歳ヲチコチ』第5巻、28ページ)
まあ半分は冗談を含ませてますけど、こういう風に物事を捉えてもいいんだなと思うと気が楽になりますねー。
他人が言ってることを納得して受け入れられるなら問題はないと思いますが、無理してそうしなきゃいけないと思うことならもう一度それが自分に合っているか考えた方がいいんじゃないかななんて思ったり。あ、もちろん主に一般的なことに対してで公序良俗に反することは駄目だと思いますけど(全裸で街を練り歩きたいのにみんな駄目って言うなー、て云うのはまた別件ですので。誰か信頼できる人がいるならその人とよくよく考えてみるのが良いと存じます)。